「売上が一番大きいモールから始めよう」——その判断が、広告費だけ増えて利益が残らない最大の原因かもしれません。
この記事を読むと分かること:
- なぜ「売上規模」でモールを選ぶと利益が薄くなるのか
- Amazon/楽天/Yahoo! の利益構造を「広告後粗利」で横並びにする見方
- 商材タイプ別に、最初に攻めるべきモールを決める判断基準
モールは「売上が立つ場所」ではなく「粗利が残る場所」で選ぶ
同じ商品を同じ価格で売っても、手元に残る利益はモールごとに違います。理由は3つ——①販売手数料の率と内訳、②ポイント原資(誰がポイントの費用を負担するか)、③広告の効きやすさ(同じ広告費でどれだけ売れるか)。売上トップのモールが、いちばん利益が残るモールとは限りません。
ここで基準にするのが「広告後粗利」です。
広告後粗利 = 売上 −(原価 + モール手数料 + ポイント/原資 + 広告費)
「売れたか」ではなく「広告まで引いて、結局いくら残ったか」で見る指標です。ACoS(広告費 ÷ 広告経由売上)が同じでも、原資の重さが違えば残る額は変わります。
3モールの利益構造を「広告後粗利」で横並びにする
※以下は説明のための仮の計算例です。手数料・ポイント料率はカテゴリ・時期・出店プランで異なります。最新は各モール公式(Seller Central/楽天 RMS/Yahoo!ストアクリエイターPro)をご確認ください。
販売価格 10,000円/原価 4,000円 の商品を例にすると、利益が「どこで漏れるか」がモールごとに違います。
- Amazon:販売手数料に加え、FBA を使うと物流費が固定的に乗る。漏れやすいのは「物流費と、放置された低利益SKU」。一方でスポンサープロダクトは指名検索が取りやすく、広告効率は出しやすい。
- 楽天:販売手数料は比較的低めでも、ポイント原資(SPU・スーパーSALE・イベント)が店舗負担として積み上がる。漏れやすいのは「ポイント原資と販促原資」。
- Yahoo!:出店の固定費は軽い一方、ストアポイント原資とアフィリエイトパートナー報酬が利益を削る。漏れやすいのは「販促原資とアフィリ報酬」。
つまり同じ「コスト」でも、Amazon は手数料・物流、楽天/Yahoo! はポイント原資という“見えにくい費用”が広告後粗利を左右します。比較表を「手数料率の高低」で止めず、原資まで原価に含めた粗利で見るのがポイントです。
商材タイプ別:利益が残りやすいモールは違う
- 単価が高く回転が遅い/ブランド指名がある → Amazon が向きやすい(物流を任せ、指名検索で広告効率が出る)。
- リピート・ファン化・客単価アップで伸ばす商材 → 楽天 が向きやすい(ポイント原資は重いが、回遊と再訪で回収しやすい)。
- 価格競争力があり、原資設計を自分で握れる → Yahoo! で利益を残しやすい(固定費が軽く、原資をコントロールできる)。
最初に攻めるモールを決める判断基準(if-then)
- まず主力1SKUで「広告後粗利」を3モール分、仮の計算例で出す(売上ではなく“残る額”で比較)。
- if 物流を自社で持てない/指名検索がある → Amazon を起点に。
- if ポイント原資を回収できる客単価・リピート設計がある → 楽天を起点に。
- if 価格と原資を自分で握れる → Yahoo! を起点に。
- 1モールで広告後粗利が黒字になる型を作ってから横展開する(同時多店舗で薄く広げない)。
まとめ:選ぶ前に見る5つのチェックリスト
- □ 売上規模ではなく「広告後粗利」で比較したか
- □ ポイント原資・アフィリ報酬まで原価に含めたか
- □ 手数料率はカテゴリ別の最新値で見たか
- □ SKU単位で赤字商品が混ざっていないか
- □ 「1モールで黒字の型」を作ってから横展開する順序になっているか
モール選びは「どこが大きいか」ではなく「どこで残るか」。まず手元の主力1SKUで広告後粗利を出してみると、攻める順番が見えてきます。
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