「広告は回しているのに、利益が残らない」——その原因は、たいてい“現状が数字で見えていない”ことにあります。
この記事を読むと、(1) ECのプロが店舗URLだけで最初に見る4つの兆候、(2) 今日から自分でできる「EC自己診断10項目チェックリスト」、(3) チェックがつかなかったときの考え方、が分かります。チェックリストは単体でも使えるので、まず手を動かしてみてください。
改善はまず「現状把握」から
打ち手を増やす前に、現状を数字で押さえる。遠回りに見えて、これが一番早い。
なぜ店舗URLだけである程度の兆候が分かるのか。理由はシンプルで、検索結果での見え方・商品ページ・レビュー・価格は外から観測できるからです。内部の広告データが無くても、「どこで取りこぼしていそうか」の当たりはつきます。
店舗URLで見える4つの兆候
プロが最初に確認するのは次の4点です。
- 検索順位:指名キーワード(ブランド名+商品名)と一般キーワード(カテゴリ名)で、自社が何ページ目に出るか。指名で1ページ目に出ないのは機会損失です。
- 商品ページ:1枚目画像で「何の商品か・誰向けか・推しは何か」が1秒で伝わるか。冒頭3要素(タイトル・1枚目・価格/レビュー)が弱いと、広告で人を集めても買われません。
- 広告“後”粗利の兆候:レビュー数・価格帯・品揃えから、広告に頼らざるを得ない構造かを推測します。ここが本丸です(後述)。
- 競合差:同カテゴリ上位との価格・ポイント還元(実質値引き)・レビュー数の差。勝ち負けが分かれている軸を特定します。
いちばんの穴は「広告“後”粗利」
ACoS(=広告費 ÷ 広告経由売上)は多くの店が見ています。問題は、ACoSが良く見えても利益が残るとは限らないことです。
仮の計算例で示します(※説明のための数字で、実在店舗の実数ではありません)。販売価格3,000円、原価1,200円、モール手数料・決済を仮に15%(450円)とすると、広告前の粗利は約1,350円。ここでACoS30%(=広告費900円)をかけると、手元に残るのは約450円。ACoSが45%を超えた時点で、このSKUは赤字に転びます。
つまり「ACoS30%だから健全」ではなく、SKUごとに“広告後にいくら残るか(広告後粗利)”を出さないと、売れているのに利益が消えている商品を見逃します。手数料率はカテゴリ・時期で変わるため、最新は各モール公式で確認してください。
EC自己診断10項目チェックリスト
当てはまるものに □ を付けてください。
- □ 主力商品が指名検索(ブランド名+商品名)で1ページ目に出る
- □ カテゴリ一般キーワードの検索で3ページ目以内に入る
- □ 1枚目画像で「誰向け・何が推しか」が1秒で伝わる
- □ 冒頭3要素(タイトル・1枚目・価格/レビュー)に主要キーワードが入っている
- □ 直近30日の広告費とACoSを把握している
- □ SKUごとに“広告後粗利”(売上−原価−手数料−広告費)を出せる
- □ 赤字で売れているSKUを特定できている
- □ レビュー件数・星評価が同カテゴリ上位と比べて見劣りしない
- □ 競合の価格・ポイント還元率を月1回は確認している
- □ Amazon/楽天/Yahoo! のどこに注力するか方針が決まっている
読み方(判断基準):6個以上付けば、構造は悪くありません。あとは打ち手の優先順位づけの問題です。5個以下なら、施策を足す前に“現状把握”の仕組みづくりが先。とくに『広告後粗利をSKU別に出せる』に □ が付かないなら、まずそこから着手してください。
まとめ
ECの改善は、新しい施策を増やすことより、現状を数字で可視化することから始まります。今日のチェックリストは、その第一歩として単体でも使えるはずです。
そのうえで、『広告後粗利をSKU別に出す』『競合との実質差を定点で見る』あたりは、専門性と工数の壁にぶつかりやすい領域です。自社だけでやり切るのが難しいと感じたら、まず現状を可視化するところからご一緒できます。
店舗URLをいただければ、検索順位・ページ・広告後粗利の兆候・競合差の観点で、改善余地をレポートにしてお返しします(赤兎馬の無料EC診断)。成果を保証するものではなく、現状把握のための材料としてお使いください。→ https://ec-sekitoba.jp/#contact