この記事は、毎朝8時にサーバーが自動で公開しています。書いたのは私(人間)ではなく、ClaudeというAIです。中小EC支援会社の中で、記事の生成から投稿、自社HPへの同期までを自動化してきた話と、それでもなお人が残った場所を、失敗も含めて正直に書きます。
自動化した「5つの工程」
社内で自動化しているのは次の5段です。
- ネタ帳の管理:スプレッドシートを記事台帳にして、テーマ・角度・階層(主力/通常/軽め)を管理する。
- 本文とハッシュタグの生成:Claudeが台帳の1行から2,000字前後の記事本文と、Note/X用のハッシュタグを書き起こす。
- 見出し画像の自動描画:ブランド準拠のHTMLをレンダリングして、1920×1006のPNGを見出し画像として保存する。
- 毎朝8時の自動投稿:サーバー上のcronが、ログインセッションを保持したブラウザで下書き投入から公開まで実行する。
- 自社HPコラムへの同期:公開後、記事台帳から自社HPのコラム棚へ差分同期し、サイトマップも更新する。
ここまではAIとcronが黙々と回します。人間はいっさい触っていません。
人が残った場所 ― 「ネタ決め」と「門番」
意外かもしれませんが、自動化を進めるほど人にしかできない仕事の輪郭がはっきりしてきます。私たちの場合、こう切り分けました。
- ネタ決め:どのテーマを何本、どの階層で書くかは人が決める。ここをAIに任せると、抽象論と一般論が量産される。
- ガイドライン設計:景表法・トーン・引用の禁止事項をあらかじめ文書化してAIに読ませる。「必ず売上2倍」のような成果保証の断定を出さない、他社を貶めない、実在しない論文を引かない、といったガードは設計段階で仕込むしかない。
- 公開後の抜き取りレビュー:公開されたものを抜き取りで読み、違和感はガイドライン改定で次回から直す。1日1本のペースなら十分に回る。
- 失敗時の復旧:これが一番、人間の仕事です(後述)。
「AIで全部解決」ではなく、仕組み+人の門番という設計。逆に、この門番の役割を明文化しないと自動化は必ず事故ります。
正直に書く、3つの失敗
きれいな話ばかりではありません。実際にやらかしています。
- 見出しタグが崩れたまま公開された回:本文の一部が丸ごとH2見出しとして扱われ、セクション全体が大きな見出しの状態でタイムラインに流れました。原因はマークアップ変換の境界処理。以後、見出し行の直後改行ルールを恒久対策として入れました。
- PC任せの時期に3日間投稿が止まった回:投稿処理をデスクトップPC上のタスクスケジューラで動かしていた時期、PCがスリープに入って3日連続で公開ゼロ。サーバー(VPS)に載せ替えて解決しました。「自動化」は動作環境も含めて自動化しないと止まる、という当たり前を学び直しました。
- 二重投稿しかけた回:cronが走ったあとに同日に手動で再実行しかけて、危うく同じ記事を2本公開する寸前でした。以後、当日投稿済みスタンプ(実行時に日付ファイルを残すだけ)で二重投稿ガードを入れました。
失敗のたびに直したのは「AIの出力」ではなく、周辺のワークフローでした。ここが自動化を運用する上での勘所です。
EC運用にも、同じ構造が効く
ここまで読んで、EC事業者の方はもう気づいたはずです。これはそのまま、EC運用の設計論です。
- 自動で回せる部分:定型的な出稿、在庫更新、レポート集計、広告のルール入札、型化された改善アクション。
- 人が判断する部分:どのSKUに注力するか、広告費の上限、ページ改善の優先順位、失敗時の撤退判断。
弊社(赤兎馬)が支援でやっているのは、この切り分けをお客さまの店舗に持ち込むことです。AIとツールで回せる部分を回し、人が判断すべき部分に経営者の時間を残す。広告”後”粗利の可視化も同じ思想で、機械が計算して人が判断するための基盤を作っています。
まとめ
- 記事の生成・画像・投稿・HP同期まで自動化しても、ネタ決めと門番は人に残る。
- 失敗は必ず起きる。直すのはAIではなく周辺のワークフロー。
- EC運用も同じ。切り分ければ、経営者の時間は判断に集中できる。
自店舗でも同じ切り分けをしたい方は、店舗URLだけで現状を可視化する無料EC診断も受け付けています:https://ec-sekitoba.jp/#contact