レポートを見て赤字に見えた広告を、その場で止めていませんか。
赤字に見える広告には、止めていいものと止めてはいけないものがあります。判断を5項目に固定してしまえば、迷う時間がなくなります。
1. そのSKUの損益分岐ACoSを出したか
損益分岐ACoSは、広告費がこの比率を超えると赤字になる線のことで、ざっくり単品粗利率と同じです。
粗利率45%のSKUなら、ACoS 45%までは黒字。ACoS 30%は「赤字」ではありません。
- if 実ACoSが損益分岐ACoSより低い → 止めない。むしろ伸ばす余地がある
- if 目標ACoSを「全社一律20%」のように置いている → 先にSKU別の粗利率を出す
粗利率がSKUごとに違う以上、止めどきもSKUごとに違います。
2. 見ているのは全体か、検索語句単位か
全体のACoSが赤字でも、内訳を開くと黒字の検索語句と大赤字の検索語句が混ざっているのが普通です。
- if 検索語句レポートをまだ見ていない → 止める前に開く。除外すべきなのはキャンペーンではなく一部の語句かもしれない
- if 一部の語句が全体を押し下げている → その語句を除外する。キャンペーンごと止めるのは、勝っている語句まで捨てる行為です
止める単位を間違えると、勝ち筋ごと失います。
3. 在庫は足りているか
同じ「止める」でも、状況で意味がまったく違います。
- if 欠品が近い → 止めるのは正しい。売れない在庫に広告を当てても、機会損失が増えるだけ
- if 在庫は潤沢で赤字だから止めたい → その判断は1と2を通してから
在庫が薄いときの停止は在庫管理の話であって、広告の良し悪しの話ではありません。ここを混同すると、後で「あの広告は効かなかった」という誤った記憶だけが残ります。
4. 指名キーワードか、一般キーワードか
自社ブランド名・商品名での指名検索は、広告を出さなくても自然検索で買われていた可能性があります。
- if 指名キーワード → 広告経由の売上をそのまま成果として数えない。自然検索とのカニバリを引いた純増分で判断する
- if 一般キーワード → 広告経由の売上は基本的に純増と考えてよい
指名広告は「出す/出さない」を実験で確かめられる数少ない領域でもあります。数日止めて自然検索の売上がどう動くかを見れば、純増分の見当がつきます。
5. 判断に足るデータ量があるか
- if クリックが数十回程度 → 判断材料になりません。CVRの推定が安定しない領域です
- if 期間が数日 → 曜日差だけで数字は動きます。最低でも1〜2週間は見る
「3日回して赤字だから止める」は、ほぼ確実に早すぎます。ただし予算が大きく出血が速い場合は、止めるのではなく入札を下げて観察する、という中間の手があります。
まとめ:止める前の5項目
- そのSKUの損益分岐ACoS(≒粗利率)を出したか
- 全体ではなく検索語句単位で見たか
- 在庫は足りているか
- 指名キーワードか一般キーワードか
- クリック数・期間は判断に足りているか
5つ全部を通しても止めるべきだと出たなら、それは自信を持って止めていい広告です。
損益分岐ACoSの出し方や、キーワード単位の損益の見方は別の記事で詳しく書いています。あわせて読んでみてください。
店舗URLでの無料EC診断もやっています:https://ec-sekitoba.jp/#contact