EC 本を読んでいて「なるほど」と思う施策に出会うことは多い。ただ、そのまま自店に入れて痛い目を見たことも何度もある。今回はそのうちの一つ、店舗内検索リンクの話。
本のノウハウ:商品ページに店舗内検索リンクを置く
先日読んだ EC 本に「商品ページに店舗内検索へのリンクを置くと、店内回遊と検索経由の CTR が上がる」という施策が紹介されていた。理屈は分かる。一つの商品ページを見た人が、関連ワードから他の SKU に流れれば、購入機会も広がる。
私たちが運営している学習ポスターの楽天店(全 12 SKU)にも入れよう、と最初は思った。全ページに一斉導入すれば工数も一度で済む。
その前に「着地」を数えた
ただ、入れる前に一つだけ確認したいことがあった。「そのリンクを踏んだ先に、商品は何件並ぶのか」。行き止まり(1 件しか出ない検索結果)に飛ばすリンクは、回遊どころか離脱を招くからだ。
全候補キーワードで実画面から件数を数え直してみた(2026-07-28 実測)。
- 「お風呂ポスター」:12 件(全 SKU が並ぶ)
- 「お受験」:11 件
- 「中学受験」:6 件
- 「九九」「理科」「漢字」など教科名:1 件
教科名キーワードは埋め込み禁止と判定した
うちの店は教科ごとに 1 SKU ずつしか置いていない。だから「九九」で検索リンクを踏むと、実質的に自分と同じ SKU に戻ってくるだけで選択肢が広がらない。これは回遊施策ではなく、単に「行き止まりに送るリンク」になってしまう。
結論、教科名キーワードは埋め込み禁止と判定した。使えるのは「お風呂ポスター」「お受験」「中学受験」のように、複数 SKU が並ぶワードだけ。
API の件数と実画面の件数はズレる
もう一つ驚いたことがある。事前に商品検索 API で件数を取っていたのだが、実画面と数字が合わなかった。「お受験」は API で 5 件、実画面では 11 件。理由までは追いきれていないが、API の数字だけで「1 件だから禁止」と判定していたら、使えるキーワードを取り逃していた。
ツールや API の数字と、ユーザーが実際に見る画面は乖離することがある。最終判断は必ず実画面で行う。 これが今回の一番大きい学びだった。
Google SEO 目的でもなかった
念のため着地ページ(店舗内検索結果ページ)の設定も確認したところ、検索エンジンにインデックスされない設定になっていた。つまりこの施策は Google SEO には効かない。回遊 CTR に効く施策として、モール内で完結する話だと分かった。
本の著者自身も「ある程度売れてから効果を発揮する」と書いていた。であれば全 SKU 一斉導入ではなく、アクセスの多い SKU から先行導入して効果を見る、が正解になる。
学び:3 つの判断基準
- 施策は入れる前に「着地」を数える。リンク・導線系の施策は、行き止まりチェックが先。
- 書籍・セミナーのノウハウは自店の SKU 数・規模で再検証する。著者の前提と自店の前提が同じとは限らない。
- ツール・API の数字と実画面は乖離することがある。最終判断は実画面。
書いてある通りにやれば伸びる、なら誰も苦労しない。ノウハウは「使えるかどうか」を自店の数字で確かめる工程がセットになって初めて機能する(今回書いた数字は自社の実測値で、他店に当てはまる保証はありません)。
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