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セール参加の是非は「実質原価」で決める|ポイント倍率とクーポンを重ねた後に残るもの

#マーケティング #ビジネス #EC運用 #楽天市場 #ネットショップ運営 #広告後粗利 #ポイント原資

大型セールの案内が来るたびに、とりあえず参加していませんか。

セール参加は正義でも悪でもなく、回ごとに損益が変わる意思決定です。この記事では、値引き・クーポン・ポイント原資・広告費を積み上げて「実質原価」を出し、出るべき回と引くべき回を分ける手順を書きます。

セール時に重なるコストは、1つではなく4つ

セールの利益が読めなくなるのは、コストが同時に何層も重なるからです。分解すると4つです。

  1. 本体値引き:セール価格そのもの
  2. クーポン:値引きの上乗せ
  3. ポイント原資の店舗負担分:倍率施策に参加した分の負担
  4. 広告費の上昇:セール期間はクリック単価が上がりやすい

それぞれ単体では「まあこのくらいなら」と思える幅でも、4つ重なると単品粗利を簡単に食い切ります。足し算をせずに参加するのが一番危険です。

実質原価シートを1枚作る

以下はすべて説明のための仮の計算例です。ポイント原資の負担割合や料率は施策・時期で変わるため、参加前に必ず各モールの公式の案内でご確認ください。

通常時

セール時(10%OFF+500円クーポン+ポイント原資の店舗負担5%)

粗利が 1,800円 → 835円、率にして45.0% → 26.9%。1個あたり965円が消えました。

さらにここへ広告費が乗ります。通常時のACoSが20%だったとして、セール時にCPCが1.3倍になり実質26%相当まで上がったとすると、実売3,100円に対する広告費は約806円。

広告後粗利:835 − 806 = 29円

粗利がほぼ蒸発しています。「セールで過去最高の売上だったのに、月末の利益が思ったより残らない」の正体はここです。

判定:この計算がマイナスなら、参加は「投資」になる

実質原価を出した結果、広告後粗利がプラスなら参加判断は単純です。問題はマイナスのときです。

マイナスでも参加すべき場面は、確かにあります。

ただし、これらを理由に赤字で出る場合は条件が1つあります。赤字許容額を先に決めることです。

「今回は新規獲得のために、この商品で最大10万円までの赤字を許容する。それを超えたら在庫を絞る」。ここまで決めてから参加するなら、それは投資です。決めずに参加して後から「まあ新規が取れたし」と後付けで納得するのは、投資ではなく事故の追認です。

出る/引くの判断テーブル

一番もったいないのは、主力商品を全力でセールに出してしまうパターンです。指名で買われる商品、レビューが積み上がっている商品は、値引きしなくても売れます。そこに値引きとポイント原資を重ねると、本来もらえていた利益をわざわざ削っていることになります。

セール参加前チェックリスト

  1. 値引き・クーポン・ポイント原資・広告費上昇の4つを1枚に積み上げたか
  2. セール時の単品粗利と広告後粗利を実額で出したか
  3. マイナスの回について、赤字許容額を事前に決めたか
  4. 主力商品を無条件でセール対象にしていないか
  5. 在庫がセール期間の想定販売数に耐えるか
  6. 終了後に、実際の広告後粗利で答え合わせをする予定を入れたか

自社だけでやり切るのが難しい場合

ここまでの計算は、必要な数字さえ揃えば電卓でできます。難しいのは計算そのものではなく、セール前の忙しい時期に、SKU別の実額手数料とポイント原資を毎回そろえることです。ここが揃わないから、多くの店舗が「とりあえず参加」に戻ってしまいます。

もし自社で数字をそろえるところで止まっているなら、まず現状を可視化するところからでも構いません。店舗URLをいただければ、公開情報の範囲で改善余地をレポートにしてお返ししています。

無料EC診断:https://ec-sekitoba.jp/#contact

セールは出るか出ないかではなく、いくらの投資として出るかの話です。次の回の前に、1SKUだけでも実質原価を出してみてください。

引用元
・ポイント倍率施策の店舗負担・クーポン仕様:楽天市場 RMS ヘルプ(イベント・販促施策の案内) ・販売手数料およびセール参加条件:Amazon セラーセントラル(プロモーション・料金体系) ※本文中の金額・料率はすべて説明のための仮の計算例です。負担割合は施策・時期により異なります。

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