外注デザイナーから修正版が届くたびに、AIと一緒に作った道具で照合していました。依頼した箇所が直っているか、原稿と合っているかも機械で確かめていました。それでも校了の直前に、最初の版からあった誤りが見つかりました。
この記事では、2026年9月下旬から10月上旬に自社商品のポスターを作ったときに起きたことを書きます。そのあと工程に足した「全体レビュー」と、商品画像やパッケージの外注でも使える6項目の確認チェックリストも紹介します。
何を作り、どう照合していたか
作っていたのは中学英単語の学習ポスターです。学年ごとに約300語がカードの形で並んでいます。修正版が届くたびに私たちが確認し、デザイナーへ返していました。確認にはAIと作った次の道具を使いました。
- PDFの文字データから全語の意味の行を取り出し、原稿のスプレッドシートと機械で照合する
- 前の版との画素の差分を見る(カードごとに、仕上がりの枠で位置を合わせる)
- 発音記号を全語照合する
- 文字が隣のカードにはみ出しそうな所を抜き出す
これで、人の目では拾いにくいものも見つかりました。
- 同じカードが同じ位置に重なっていた(3枚重ねもあった。画面では文字が少し太く見えるだけ)
- 依頼していないのに、タイトル吹き出しの影の色が変わっていた(レイヤーを整理したときの副作用)
- 「心地よいい」の誤字(9月7日の版からあった)
こちらが原因の誤りもあった
9月24日、スプレッドシートの指示欄に修正案を書いたときのことです。8月の校正で決めた文言ではなく、校正前の元の列をもとに書いてしまいました。デザイナーは指示どおりに直してくれたので、その結果、校正済みの文言が上書きされました。9月27日の確認では原稿とだけ照合していたため、これに気づけませんでした。
「指示どおりに直っている」ことと「正しい」ことは別だと、ここで初めて意識しました。
校了直前に、最初の版からの誤りが出てきた
10月4日から5日にかけて、最初の版(6月10日)からあった誤りが初めて見つかりました。ことわざの中の単語、前置詞の訳、発音記号の表記です。社内の確認者からは「前回の確認時にはなかった指摘がありますね。再度、念のためしっかりレビューを」と言われました。
振り返ると、それまで確認していたのは「依頼箇所が直ったか」と「原稿と合っているか」の2つだけでした。次のものは最初から確認の対象に入っていませんでした。
- 原稿そのものの誤り
- イラストの中の文
- 付帯情報(頻出度の星・級)
- コラム
機械の照合をどれだけ正確にしても、基準にしている原稿が間違っていれば、その誤りは「一致」として通ってしまいます。
工程に足したこと、人が決めること
- その案件でまだ一度も全体レビューをしていなければ、依頼リストとの突き合わせに加えて、紙面を端から端まで1回通して見る
- 原稿と合っていても正しいとはみなさず、原稿も通して読む
- 報告は「今回の依頼分」と「最初からあった分」に分ける
指摘を少しずつ出すと、外注先とのやりとりが何往復にも増え、こちらの確認そのものも信用されなくなります。分けて伝えれば、相手も「今回の修正で崩れたのか、最初からなのか」を判断しやすくなります。
人が受け持つ部分もはっきりしました。校了の判断、言葉の選び方(「訪問者・来客」にするか「訪問客・観光客」にするか)、追加の作業量の承認、そして長い行の文字の間隔を実際の印刷物で確かめることです。AIの照合結果を材料にして、決めるのは人です。
商品画像・パッケージの外注でも同じ
ECの商品画像、パッケージ、同梱物を外注するときも、同じことが起きます。「指示どおりか」の確認と「正しいか」の確認は別の工程です。後者は、版を重ねる前に1回入れておくほうが往復が減ります。校了したあとで見つかると、画像の差し替えや刷り直しが必要になり、そのぶん手間と時間がかかります。
納品を確認するときのチェックリスト(6項目)
- 依頼箇所:頼んだ修正がすべて反映されているか
- 前の版との差分:頼んでいない場所が変わっていないか
- 原稿との一致:文字や数値が原稿どおりか
- 原稿そのもの:原稿自体に誤りがないか(初回の納品か校了前に1回は通して読む)
- 依頼外の変更:色・影・配置などに、整理の副作用が出ていないか
- 付帯情報:注記・アイコン・小さな表記・イラストの中の文字まで見たか
機械の照合は「指示どおりか」を素早く確かめるのに向いています。一方で「正しいか」は、照合の基準である原稿まで疑わないと確かめられません。この2つを分けて考えることが、今回いちばんの学びでした。
まずは手元の外注物を、このチェックリストで一度見直してみてください。店舗URLを送っていただく無料EC診断もやっています。AIの導入や社内での活用の相談も、同じ窓口で受け付けています:https://ec-sekitoba.jp/#contact