自社でショート動画のアカウントを立ち上げるたびに、「最初の1〜2週間は投稿せず、いいね巡回で温めてから」と言われます。本当に必要なのかを、2026年10月7日に自社の記録で確かめました。
この記事では、5つのアカウントの初速の実数と、初速が低いときに疑う順番をまとめます。
前提:AIが作り、人が見て、全部を数えている
私たちは複数のショート動画アカウントを運用しています。台本と画像はAIが下書きし、人がレビューしてから予約投稿します。全投稿の再生数は台帳に残しています。
温めの通説を何度も聞くので、台帳を投稿順に並べ、媒体別に中央値を取りました。どのアカウントも温め期間は置かず、開設した日から配信しています。
数えてみた結果
- アカウントA(Instagram、2026年5月27日開始。7月5日時点のフォロワー62):最初の7本の再生数の中央値は371、3本目で6,183
- アカウントAのYouTube:最初の7本の中央値は1,296。85本目以降の中央値1,284とほぼ同じ水準
- アカウントB(YouTube、2026年9月26日開始、登録者0):初投稿で1,269
- アカウントC(Instagram):初投稿で1,172、6本目で7,230
フォロワーがほとんどいない段階でも、初投稿から数百〜数千回再生されていました。YouTubeは、最初の7本と85本目以降で中央値がほとんど変わりません。「実績を積まないと配信されない」のであれば、こうはならないはずです。
各プラットフォームのクリエイター向け公式説明でも、フォロワー数や過去の実績は配信の直接の要因ではない、という趣旨が示されています。
例外:100前後に張り付いたTikTok
一方で、アカウントBのTikTokは30本ほど投稿して、ほぼすべてが100再生前後でした。温め不足を疑う余地もありましたが、同じアカウントBのYouTubeは初投稿で1,269回再生されています。
私たちは、この100前後を「初期配信の床」と見ています。最初に一定数の人へは届くものの、その先へ広がっていない状態です。伸びない原因は温め不足ではなく、冒頭の視聴維持の問題として扱うことにしました。
通説の「真実の核」は2点だけ
温めの通説がすべて間違っているわけではありません。残すべきなのは次の2点です。
- 新規アカウントでフォローやいいねを連打すると、スパム判定の対象になる
- プロフィールが空だと、視聴からフォローにつながる割合が落ちる
つまり、投稿を待つ必要はありません。「プロフィールを整えてから出す」「不自然な連打をしない」の2つで足ります。
初速が低いときに疑う順番
商品アカウントを立ち上げるなら、温めに使うはずの2週間を、冒頭1秒と最初の7本の改善に回すことをおすすめします。売り場の立ち上げが2週間遅れるのは、それだけで機会損失です。初速が低いときは、次の順で確認します。
- 冒頭1秒:最初の画面で何の動画か分かるか。結論か具体物が出ているか
- 字幕とサイズ:音なしで読めるか。縦型の比率で端が切れていないか
- プロフィール:何のアカウントか一目で分かるか
- 温め:ここまで直しても変わらないときに、最後に疑う
判断の目安は、1本だけ低いならしばらく様子を見る、最初の7本の中央値が低いなら冒頭の作り方から見直す、です。
学んだこと:通説は自分の台帳で確かめる
今回の集計は、投稿順に並べて媒体別に中央値を取っただけです。AIは台本や画像の下書きをたくさん作れますが、どの切り口で数えるか(投稿順・媒体別・中央値)を決めることと、通説を疑うかどうかの判断は人が担いました。
ECの「新商品はまず◯◯してから」のような通説も、自社の数字を発売順や投稿順に並べるだけで確かめられることがよくあります。再生数は各媒体の管理画面に任せきりにせず、自前の台帳に投稿順で残しておくのがおすすめです。
※記載の数字は自社アカウントで観測した範囲の実数です。同じ結果を保証するものではありません。
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