画面録画の解説動画は、撮るより編集のほうに時間がかかりがちです。
2026年9月28日から10月7日にかけて、私たちは社内向け講座の解説動画を作るために、編集の工程をAIと一緒に組み立てました。この記事では、その記録をもとに次の3つをお伝えします。
- 機械に任せる工程と、人が判断する工程の分け方
- 反映の工程で事故を起こさないためのルール
- 商品の使い方動画やLP用の解説動画に当てはめるときの工程表
7工程のうち、真ん中の4つから作った
全体は「準備・収録・自動編集・レビュー・反映・結合・公開」の7工程です。10月7日までに試作したのは、自動編集から結合までの4つです。
最初に決めたのは、人が判断する画面をどこに置くかでした。機械はその前後で、詰める・文字に起こす・書き出すといった作業を受け持ちます。全部を機械に任せる設計にはしていません。
自動編集:詰める・起こすは機械が担当
- 1.2秒を超える間だけを0.5秒に詰める。短い間は残す(操作を見せている部分を切らないため)
- 先頭と末尾の無音を削除する
- 音声認識で、単語ごとの時刻つきの字幕を作る
- 音量を目標値にそろえる
レビュー画面:判断は人がここでする
ブラウザで動画と字幕を同期して表示します。行や単語の範囲を選び、「カット」「短く」「テロップ」「メモ」のいずれかの指示を付けます。保存はJSONを正本にしていて、2人が同時に編集したときは競合を検出します。
反映と結合:承認済みの指示だけを、新しい版として書き出す
反映には次のルールを設けました。
- 反映するのは、承認済みの「カット」と「テロップ」だけ。メモでは動画は変わらない。「短く」は、具体案に直して承認されるまで反映しない
- 原本と前の版には手を付けず、新しい版として書き出す。長さの検証が通ってから版を差し替える
- 同じ指示は二度と反映しない(二重適用の防止)
- 既定はドライラン(実際には書き出さず、何が変わるかだけを先に確認するモード)
結合の工程では、各章の最新版を順につなぎ、章タイトルのカード(2秒)を挟んで字幕を焼き込みます。あわせて章一覧のテキストも出力します。
検証には、合成音声で作った試験用の章を使いました。30.5秒の素材が間詰めで23.2秒になり、カット1件とテロップ1件の反映で19.9秒になりました。2章を結合すると47.4秒で、単体テストは44件です。ただし、実際の録画ではまだ試していません(1分の試し撮りを待っている段階です)。このことは手順書の冒頭に明記しました。動いていないものを「動いた」とは書かない方針です。
つまずいた2つのこと
- 音声認識が出す単語の時刻が、直前の間まで含んでいた。そのまま間を詰めると、字幕が前の文にくっついてしまう。そこで、単語の終わりではなく発話の開始に合わせるようにした
- 9月28日に別の作業でショート動画を作ったときは、単語の時刻が0.3秒ほどずれていた。「いちばん静かな所」で切るだけだと単語の途中で切れてしまうため、切り口の前後を聞き直す処理を追加した
ここから得た判断基準は、「機械が出す時刻は0.3秒程度ずれるものと考え、切り口は必ず確かめる」です。
EC実務での工程表(機械/人/承認)
商品の使い方動画やLP用の解説動画を社内で作る場合は、次のように分けられます。
- 収録:人
- 間詰め・字幕起こし・音量の調整:機械
- カットの判断・テロップの文言・「短く」の具体化:人(レビュー画面)
- 反映・結合:機械(承認済みの指示だけ)
- 最終確認・公開の判断:人
この分け方が向いているのは、同じ形式の動画を何本も作る場合や、章単位で撮り直しや差し替えが起きる場合です。1本ずつ編集ソフトで切っていた時間を、レビュー画面での数分の確認に置き換えることを狙っています。一方、単発の1本だけなら、使い慣れた編集ソフトで十分です。編集にかかる人の時間も、広告費と同じく粗利から出ていくコストとして考えると、どちらを選ぶか判断しやすくなります。
まとめ
- 自動化を設計するときは、人が見る画面を先に決める
- 反映するのは承認済みの指示だけにし、原本は変えず、二重適用を防ぐ
- 動いていないことは、動いたと書かない
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