自動化した処理が「全部落ちる」なら、すぐ気づけます。やっかいなのは、3つのうち1つだけ落ちる失敗です。
この記事では、自社SNSの予約投稿で起きた「一部だけ失敗」を、条件を絞って自動で作り直すまでの手順と、あえて自動化しなかった失敗の線引きを書きます。受注連携・在庫同期・広告の予約配信でも同じ判断基準が使えます。
同じ動画なのに、1つの媒体だけ落ちる
自社の複数アカウントでは、完成した動画を予約投稿ツールで3つの媒体に同時予約しています。2026年8月下旬から、配信時刻にある媒体だけが保存先から動画を取りに行けずに失敗し、残りの媒体は同じ動画で成功する、という現象が続きました。
後から同じ動画の場所を確認すると、正常に開けます。保存先の一時的な不調とみています。
- 2026年8月21日〜9月4日の14日間:配信失敗13件のうち10件がこの「動画の取得失敗」
- 2026年9月8日:あるアカウントの5投稿中3本が、どれか1つの媒体で未配信
失敗率ではなく「失敗の内訳」を見た時点で、打ち手が決まりました。10件は原因が1つに特定できている。残りの3件はそうではない。ここが分かれ目です。
自動で作り直す範囲を、3つの条件で絞った
2026年9月9日、毎朝4時に走らせている健全性チェックの中に、再予約の処理を足しました。対象にする条件はこの3つだけです。
- 直近26時間の失敗のうち、「動画の取得失敗」に限る
- 失敗した媒体だけを、翌日の同時刻の30分後に、同じ本文で作り直す
- 台帳の予約IDを新しいものに置き換える
26時間・30分後という値は、社内で決めた運用値です。成功していた媒体には一切触りません。
ガードのチェックリストが本体
自動で作り直す処理そのものは短く書けます。暴走したときだけ、手作業よりはるかに高くつきます。だから実装より先にガードを決めました。
- 二重:同じ投稿を二重に再予約しない
- 連鎖:再予約したものをさらに再予約しない(連鎖させない)
- 上限:1回の実行で5件まで
- 打ち切り:相手側の上限エラーが出たら即中止
- 事前確認:作る前に、動画が開けることを確かめる
- 停止スイッチ:まとめて止められるようにする
自動化を足すときは、この6行を先に埋められるかを判断材料にするのがおすすめです。埋まらないなら、まだ自動にしない方が安全です。
自動化しなかった失敗(人が残る場所)
媒体との接続切れ・認証・規約系の失敗は対象外です。原因が1つに絞れず、作り直しても直らないか、そもそも作り直してはいけないものだからです。ここはこれまで通り人が見ます。
そしてこの仕組み自体が、動画の置き場所を変える恒久対策までのつなぎです(導入は社内の指示で決めました)。いつ恒久対策へ切り替えるかの判断も、人が持ったままにしています。
EC実務での判断基準
- 原因が特定できている + 作り直しても副作用がない → 自動で直す
- 原因が複数あり得る / 二重登録が在庫・請求・広告費に触る → 人が見る
1件の作り直しに10分かかるとすれば、10件で約100分。これは説明のための仮の計算例ですが、この時間が毎月出ていくなら自動化を検討する水準です。逆に、広告の予約配信や在庫同期のように二重実行が金額に触る処理は、原因が特定できるまで人の手元に置いておくのが安全です。一部だけ失敗を放置すると、露出予定日がずれた分の機会損失が静かに積み上がり、広告後粗利の見通しも崩れます。
まとめ
- 「一部だけ失敗」は自動化の現場でよく起きる。まず失敗の内訳を数える
- 自動で直すのは、原因が特定できていて副作用がない失敗だけに絞る
- ガード(二重・連鎖・上限・事前確認・停止スイッチ)を実装前に決める
- 対象外の失敗と、恒久対策への切替判断は人が持つ
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