管理画面を開くと指標が何十個も並んでいます。全部見ようとすると、結局どれも見なくなります。
毎月固定で見るのは5つで足ります。基準は単純で、その数字が動いたら打ち手が変わるかどうかです。
1. SKU別の広告後粗利(黒字SKUと赤字SKUの本数)
全体の利益率ではなく、内訳の本数を見ます。「12SKU中、黒字9・赤字3」という形です。
- if 赤字SKUがある → そのSKUの広告を止めるか、ページか価格を直す。放置は毎月同じ額を失い続けます
- if 黒字SKUに広告余力がある → そこに予算を寄せる
平均は赤字を隠します。本数で見ると隠れません。
2. 損益分岐ACoSに対する実ACoSの位置
損益分岐ACoS(広告費がこの比率を超えると赤字になる線。ざっくり単品粗利率と同じ)と、実際のACoSを並べます。
- if 実ACoSが損益分岐を下回っている → まだ攻める余地がある
- if 上回っている → 検索語句単位で赤字の語句を除外する
「ACoS 30%は高いか低いか」は単体では答えが出ません。粗利率と並べて初めて意味を持ちます。
3. 在庫日数(在庫数 ÷ 1日あたり販売数)
在庫数そのものではなく、何日分あるかで見ます。
- if 15日未満 → 広告を絞る。欠品が近い在庫に広告費を払わない
- if 90日超 → 保管料が効き始める。広告増額か価格見直しで回転させる
在庫と広告を別々に見ていると、この判断が後手に回ります。
4. 客単価と平均購入点数
- if 平均購入点数が1.0付近 → セット・同梱・関連提案の導線がない状態。ここは伸びしろ
- if 客単価が下がっている → 値引き施策が常態化していないか確認
客単価が上がると、広告費は1注文あたりのコストなので相対的に薄まります。広告を触らずに広告効率を上げられる数少ないレバーです。
5. レビュー件数の増加ペース
星の評価ではなく、件数が月にいくつ増えているかを見ます。
- if レビュー0件のSKUがある → まず1件目を取りにいく。0件の商品に広告を厚く当ててもCVRが上がりません
- if 増加ペースが止まっている → 同梱案内や依頼導線を点検する(各モールの規約は必ず確認)
増やさないほうがいい指標
見ても打ち手に変わらない数字は、意識的に外します。
- インプレッション数だけ:クリックと転換につながらなければ意味を持ちません
- 全体ROAS:利益が入っていないので、単体では判断に使えません
- 順位の日々の上下:時間帯や競合の出稿で日常的に揺れます。月次で見るなら分布で
指標を増やすほど、会議は長くなり判断は遅くなります。5つに絞って毎月同じ形で見るほうが、変化に気づけます。
月次チェックリスト
- SKU別の広告後粗利:黒字・赤字の本数を出したか
- 損益分岐ACoSと実ACoSを並べたか
- 在庫日数が15日未満・90日超のSKUを把握したか
- 客単価と平均購入点数の推移を見たか
- レビュー0件のSKUが何本あるか数えたか
まずこの5つを自店の数字で埋めるところから
この5つは、揃えば強力ですが、揃えること自体に手間がかかるのが実情です。特に1と2は、実額の手数料が分からないと出せません。
もし埋められない欄があるなら、そこが今の運用の見えていない部分です。まずはそこを1つずつ埋めていくのが、遠回りに見えて一番早い道になります。
自社で揃えるのが難しい場合は、店舗URLをいただければ公開情報の範囲で改善余地をレポートにしてお返ししています。まずは現状を可視化しませんか、という提案です。
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