2026年9月7日、47都道府県の物産振興協会などが公開している会員名簿を、AIエージェント8本を並列で走らせて1日で整理しました。追加で約6,000社、既存分と合わせて約9,200社。営業リストとして人が手を入れる前の一次データです。
前に「AIに営業リストを作らせて最初に決めたのは『取らないデータ』だった」という記事を書きましたが、今回はその続編。「並列実行の設計」と「検証」に絞って書きます。
人が先に決めた4つの基準
AIを走らせる前に、人が言語化した基準は4つでした。
- 採用するのは製造事業者のみ。小売・卸・飲食・自治体・団体・個人名は除外し、除外内訳もログとして残す
- 業種欄が無い名簿は「業態要確認」の注記付きで載せる(AIに勝手に推定させない)
- 名簿が公開されていない県は0件でよい。ログイン制の名簿を無理に取りにいかない
- 一般産業団体の名簿しかない県は、機械・化学などBtoBを除外し、消費財だけ採用
この4つを先に言語化しておかないと、6,000社を集めた後に「これ本当に営業していい先か?」の掃除が全部後工程に来ます。並列で速く走らせるほど、後工程の掃除量も比例して大きくなる。
AIに任せたこと・任せなかったこと
任せたのは、ページやPDFからの機械抽出、県ごとの取得・整形、既存リストとの照合。8本のエージェントに県を分担させて並列で走らせました。
任せなかったのは、上の4つの基準そのもの。基準が曖昧なままAIを走らせると、量は出るけれど「使えない量」が出るだけです。ここは節約しないほうがいい部分でした。
つまずき:表計算サービスの読み取り制限
途中、表計算サービスの読み取り制限に当たって16県分が落ちました。並列本数を増やすほど、当然API制限には触れやすくなります。
対応はシンプルで、間隔を空けて再実行するだけ。落ちた県のリストだけ再走させれば完走します。ここも「どこで止まったか」を人が見て指示しました。全自動で完走させるより、失敗地点を人が拾って再走のほうが速いことは多いです。
検証:件数と重複IDを機械で見る
出来上がったデータは、目視ではなく機械で2つ確認しました。
- 取得件数がページ表示の総件数と一致しているか(抜け漏れチェック)
- 重複IDがゼロか(同じ会社を二重に登録していないか)
この2つが合わないと、あとで「同じ会社に2回営業をかける」等の事故が起きます。SQL相当の集計で機械的に見るだけで、ほとんどの事故は事前に潰せます。
学び:AIの並列は速い。ただ、順番を守らないと後で困る
AIの並列は確かに速い。1日で6,000社は人手では無理な数です。ただし、基準→実行→検証の順番を守らないと、後工程で「6,000社の掃除」が発生して、結局遅くなります。
そして一番大事なこと。営業リストは量ではなく「誰に何を届けるか」で効きます。EC支援の場合、絞るとすれば「商品は良いのにモールで埋もれている製造事業者」。ここに絞るほど、返信率は上がる方向に働きます(実測値の断定はしません)。
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