外注デザイナーへの依頼書を生成AIに作らせたら、驚くほど網羅的で立派なものが返ってきた。でも、そのまま渡さなかった。手戻りを減らすコツは「量」ではなく「判断の切り分け」にあった、という実話メモ。
AIの初稿は「完璧」に見えた
先日、自社企画の漢字学習ポスター(EC販促用)を外部デザイナーに発注するため、依頼書と1〜3枚目のイメージ資料を生成AIに作らせた。初稿には次のものが全部揃っていた。
- 全体仕様表(サイズ・書き出し形式・色数)
- 1マス構成の拡大図(レイアウト規則)
- 「お任せ/固定」の切り分け表
- お渡しデータ一覧
一見、抜け漏れゼロ。渡した瞬間から作業が進みそうな完成度だった。
削ったのは4つ、残したのは「見え方」だけ
判断は「簡略化」だった。上の4つとも削り、外に出したのはイメージ資料(モック3枚)と、サイズ・納期・点数だけ。
理由はシンプルで、相手はプロだから。細かい仕様を先に渡すほどデザイナーの自由度が下がり、「この余白は仕様通りにするか、崩していいか」といった確認のやり取りが増える。決めるべきことは依頼側の内部で決めておき、外に出すのは「どう見えてほしいか」だけでよい。
AIは「抜け漏れゼロ」に強く、「相手の負担軽減」に弱い
これが今回の最大の学びだった。AIは網羅的に書くのが得意で、放っておくと"経営者が見て安心する資料"を作る。でも、外注相手が本当に欲しいのは意図と判断の切り分けだけだ。だから AIの出力は「削る前提の素材」として扱う のが正解だと考えている。
依頼書チェックリスト(削るための3つの基準)
- 相手が判断できることは渡さない ── プロが選べる領域まで指定しない
- 未決のことは「未定」と書いて渡さない ── 先に社内で決めきる
- 数字の指定は必要最小限 ── サイズ・納期・点数の3つで十分
EC実務でも同じ ── 手戻り1回のコスト
これは商品画像・パッケージ・LPの外注でもまったく同じ構造だ。仮に外注1件が10万円・2週間として、手戻りが1回入るだけで数万円と数日を失う(※説明のための仮の計算例)。しかも発売タイミングがズレれば、そのぶんの広告後粗利(販売手数料・広告費を引いた後に残る利益)にも響く。
依頼書は「量」ではなく「判断の切り分け」で手戻りが減る。AIに書かせた依頼書をそのまま渡すのは、実は相手への配慮ではなく、判断を丸投げしているのと同じだ。
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