生成AIで画像を作り、それを動画にして予約投稿する流れを、自社のSNSで回しています。2026年9月23日の未明、その画像生成が2アカウント同時に止まり、2つの台帳で計12本の台本が「エラー」で固定され、投稿を見送りました。失ったのは処理時間ではなく、ネタと投稿枠です。
この記事では、何が起きたか/なぜ12本も失ったのか/どう直したか/同じ構造が商品画像・説明文・広告文をAIで量産する店舗でどう効くかを書きます。
2026年9月23日未明、画像生成が2つ同時に止まった
- 画像生成に使うアカウントは2つ。片方が止まればもう片方に切り替える二重化にしていた
- その未明、片方が認証切れ(恒久的な失敗)、もう片方が週の利用上限(一時的な失敗)に同時に到達した
- 二重化はしていたが、「両方が同時に、しかも別の理由で止まる」ケースを想定していなかった
なぜ12本が「エラー」で固定されたのか
旧実装は、毎時の処理で1行ごとに画像生成を6回呼び、全部失敗したあと「最後の失敗理由」だけで行を分類していました。ここでアカウントの呼び出し順が結果を分けます。
- 最後が認証切れ → 恒久扱い → 再試行なしで1回でエラー確定
- 最後が利用上限 → 一時障害扱い → 再試行2回を使い切ってエラー確定
結果、ある台帳で7本、別の台帳で5本、計12本がエラーで固定されました。経路は違うのに、どちらも行は「消費」され、投稿予定日を過ぎて見送りです。問題は再試行の回数ではなく、「止まっている間も処理対象を消費する」構造そのものでした。
判断基準:同じ上限に3週続けて当たったら容量不足
片方のアカウントが週の利用上限に当たったのは3週連続でした(解除予定は9月15日、9月20日、9月27日)。1回なら偶発、2回なら様子見の範囲ですが、3回続くなら使用量が枠に収まっていないということです。一時障害として再試行で吸収し続けるほど、失う行が増えていきます。
そこで置いた判断基準は1行です。
- 同じ上限に3週続けて当たったら、再試行の設計ではなく容量(枠)の問題として扱う
これは広告運用の切り分けと同じ形です。日予算の上限に3週連続で張り付いているなら、入札の微調整ではなく予算配分の問題。どこを触るかを間違えると、時間だけが溶けます。
9月24日に入れた修正と、人が残る場所
- 停止の記録をアカウント単位にした。止まっているアカウントは呼ばずに飛ばす。利用上限は解除時刻まで停止(時刻が読めなければ1時間)、認証切れは再ログインまで停止し、誤判定に備えて6時間ごとに1回だけ再確認する
- 全アカウントが止まっている間は、行を「未処理」のまま残す。再試行回数にも数えない。止まっている時間で在庫が減らないようにした
- 処理の前に停止を判定し、画像生成が必要な行を対象から外す。空いた処理枠は、画像生成を使わない別の動画に回す。止まっている事実は翌朝の日次エラーまとめに出し続ける
自動化しなかった部分も書いておきます。
- 認証の再ログイン(対話操作が必要で、機械には任せない)
- 投稿予定日を過ぎた行を、日付をずらすか見送るかの判断
- 容量不足そのものをどう解消するかの判断(枠を増やす/生成量を減らす/画像生成が要らない型を増やす)
ECの現場でのチェックリストとまとめ
枠が尽きた日にネタと予約枠を無駄にしない設計は、そのまま機会損失の防止です。自社の自動化を点検する5項目として置いておきます。
- 枠が尽きたとき、作業対象は「未処理」に戻るか、「失敗」で固定されるか
- 失敗回数のカウントは、自分側の不具合と相手側の停止を分けているか
- 止まっている相手を、止まっている間も呼び続けていないか
- 止まっていることが翌朝に人へ届くか(黙って止まるのが最悪)
- 枠が尽きた日に回せる、枠を使わない作業が用意されているか
商品画像・説明文・広告文をAIで量産していれば、枠が尽きる日はいずれ来ると考えておいた方が安全です。そのとき制作待ちのSKUが「未処理」で残るなら翌日に回るだけですが、「失敗」で固定されると掲載や出稿が丸ごと遅れます。遅れた日数分の機会は、後から取り戻しにくいものです。
まとめると、止まっている間は消費しない。同じ上限に3週続けて当たったら再試行の調整をやめて容量の問題として扱う。そして止まったことは必ず人に届ける——この3つです。
まずは自社の自動化で「枠が尽きた日に何が失われるか」を一度点検してみてください。店舗URLでの無料EC診断もやっています(AI導入・内製化の相談も同じ窓口で受けています):https://ec-sekitoba.jp/#contact