人の承認を自動化に組み込むとき、どこまで設計すればよいのでしょうか。私たちは2026年9月下旬、AIが作った紹介動画を人が承認してから予約投稿する仕組みを動かし始めました。最初の週に、つまずきが2つありました。この記事では、何が起きたか、どう直したか、そこから決めた判断基準を共有します。
何を自動化したのか
自社のSNSアカウントで、モールの商品を「〇〇に使える3選」の形で紹介するリール動画(アフィリエイト)を始めました。流れは次のとおりです。
- AIが商品情報を取得し、動画とサイト用の商品カードを描画する
- 社内チャットに承認依頼を送る
- 承認者が「PR 3 OK」のように返信する
- botが翌日以降の空いている枠(16:55)に予約投稿を入れ、紹介ページも公開する
9月25日に5本の承認依頼を送り、運用を始めました。
つまずき1:承認した動画の端が、スマホで切れていた(9月27日)
代表から「サイズはみでちゃってる」と連絡がありました。
調べると、縦長のスマホで動画アプリを見ると、9:16の動画は左右がおよそ98px(1080px幅に換算)ずつ切られて表示されていました。タイトルは幅92%で置いていたため両端が切れ、左端から3%の位置に置いた評価バッジも欠けていました。
描画側は次のように直しました。
- タイトルと字幕は幅78%に収める
- バッジと商品画像は、左右120pxより内側に置く
承認待ちだった5本は描き直し、サイトに載せていた動画も差し替えました。ただ、すでに投稿していた1本はまだ直せていません。承認の段階では、スマホの表示幅を前提にした確認をしていませんでした。
つまずき2:「PR 3 OK」と返信したのに、botが動かなかった(9月29日)
承認者が「PR 3 OK」と返信したのに、予約が入りませんでした。
原因は、承認依頼を担当者個人のアカウント名義で送っていたことでした。このbotは、自分宛てのメッセージか、自分の投稿への返信にしか反応しません。個人名義の依頼に返信しても、bot宛てにはならなかったのです。
この日は人が手で予約を入れました(9月30日16:55)。そのうえで、次の2つを変えました。
- 承認依頼は共用アカウントの名義で送る
- 送信する前に「送信元が共用アカウントか」をプログラムで自動検査する
1〜5本目の承認依頼も送り直しました。
同じ週に見つかった、細かい誤り
商品情報の自動取得でも誤りがありました。評価の★とブランド名を、隣の要素から取ってきていたのです。そこで、商品本体の評価を優先して取り、CSSや評価の文字列をブランド名として拾わないように直しました。
ほかに、製造中止の商品、運営元が分からないブランドの商品、★2.5と誤って記録された商品が混ざっていたため、人が別の商品に差し替えました。
学んだこと:承認フローの設計に入れる3項目
承認を自動化するときは、承認ボタンや返信の書式を決めるだけでは足りませんでした。次の3つも設計に含めます。
- 依頼の名義:誰のアカウントから依頼を出すか(botが反応できる名義か)
- 返信の宛先:承認者の返信が、仕組み上きちんとbotに届くか
- 画面サイズ:承認者が見る画面と、最終的に見られる画面が同じか
一方で、人の役割として残しているものもあります。承認そのもの、商品を差し替えるかどうかの判断、画面で見たときの違和感に気づくこと。今回の2つも、最初に気づいたのは人の目でした。
EC実務への着地:PCで承認したものを、購入者はスマホで見ている
商品ページの画像や動画にも同じことが起きます。承認する人はPCで確認し、購入者はスマホで見ます。「見切れていないか」を感覚で判断せず、セーフエリア(文字や重要な要素を置いてよい範囲)を数字で決めておくと、確認がぶれません。私たちの場合は、文字は幅78%以内、要素は左右120pxより内側、という基準にしました。
- 承認者は、購入者と同じ画面サイズで確認しているか
- 文字やバッジの位置を数字で決めているか
- 承認の返信が、仕組みに確実に届く経路になっているか
自動化する範囲が広がっても、どの画面で誰が見るかを決めるのは人です。
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